若くして亡くなった写真家、星野道夫の著書は、ほとんど読んだつもりでいた
一人の著者の本ばかり読んでいると、同じ内容の再編集本とかにあたったりして、がっかりすることもあるが
イニュニックは全てが初めて読む話だった。なんでいままでこの本に巡り会わなかったんだろう。


イニュニック「生命」―アラスカの原野を旅する

イニュニック「生命」―アラスカの原野を旅する

  • 作者: 星野道夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1993/12
  • メディア: 単行本
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僕はアラスカの冬が好き。生き物たちは、ただ次の春まで存在し続けるため、ひたむきな生の営みを見せてくれる。それは自分自身の生物としての生命を振り返らせ、生きていることの不思議さ、もろさを語りかけてくる。自然と自分との壁が消え、一羽の小鳥に元気づけられるのはおかしな事だろうか。

私達が何かを決めるとき、人の言葉ではなく、その時見た空の青さとか、何の関わりもない風景に励まされたり、勇気を与えられることがあるような気がする。


今、体も経済的にも不自由な生活をしているわけではないが
毎月、所有物や己の体に定期的に支払う保険の明細、税金。
毎日、同じ時間にすれ違う人や車を見ていると自分が何者で何のために存在しているんだろう?と、思うことがある。


星野道夫の著書に出てくる言葉は、自分が「一匹の生き物」であり
贅を尽くした体験や、悟りを開いた人々の言葉だけが人の心を動かすのではない、という事を再確認させてくれる。


ハードカバーサイズの本なのでモノクロだが写真多い
ドン・ロス、シリアとジニー.....
いままで文庫本で読んでイメージの中だったアラスカの人達が
改めて実写で出てくるのは嬉しいような悲しいような。